教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 (中公新書)価格: 819円 レビュー評価: 4.5 レビュー数:19 本書のタイトルを目にして戸惑いを覚える向きも、決して少なくはないだろう。教養主義などと呼ばれる姿勢は、まさに「没落」して久しい。なにを今さら、と感じても当然だし、そもそも教養主義なることばを知らない読者もあまたいるはずだ。少々古めかしい本と思われても止むを得ないかもしれない。ところが、こうした印象とは裏腹に、本書はきわめてユニークで刺激的な文化論となっているのである。 教養主義とは、読書を通じて得た知識で、人格を磨いたり社会を改善していこうとする人生観のこと。大正期の旧制高校ではぐくまれた思潮で、戦後も1970年前後までは大学生の規範文化だった。本書はさまざまな文献や統計を素 |
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崖っぷち弱小大学物語 (中公新書ラクレ)価格: 756円 レビュー評価:4.0 レビュー数:18 この本で何よりも重要なのはおそらく、第1章である。そこでまず書かれているのは、京都大学の研究所という恵まれた研究環境にあって、優秀な同僚研究者や大学院生に恵まれてきた第一線の研究者が、いかに世間知らずで研究バカだったのかという赤裸々な実録である。のみならず、京都大学退官後の再就職先の大学を選ぶくだりに至っては、世間知らずを通り越した「ただのバカ」と言っても過言ではない。
(だから実際、著者がその実態をよく知らない他大学―例えば女子大や宗教系大学―についての著者のコメントは噴飯ものであり、正直言って取り合うに値しない。)
しかし、著者の偉さは |
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リーダーのための企業変革論―日産改革の視点と教訓価格: 2,415円 レビュー評価:5.0 レビュー数:2 昨日は楠美先生の講義を大学院で受講しました。
日産の再建はなにもカルロス・ゴーン氏がきて、リバイバルプランをやったから、いきなり実現したのではなくて、「ゴーン氏を呼ぶまでの経営陣の決断と、企業の問題点の洗い出しという作業」が事前に行われていたからこそ、日産とルノーの提携は上手くいったということがよくわかりました。
つまり、日産経営陣が自社分析をして、自己反省をするというプロセスを行わなかったら、ゴーン氏が来る事もなく、事態は進展することもなかったということです。
本書では「企業がどうあるべきか、組織とはどうあるべきか」について大変考えさせられます。 |
大学の話をしましょうか―最高学府のデバイスとポテンシャル (中公新書ラクレ)価格: 756円 レビュー評価:4.0 レビュー数:15 本書のベストセリフ
「学問をするのは、何のためでもありません。
個人個人が楽しむ、ということなのです。
極端な話、つまりは趣味、レクリエーションだと認識しても良いでしょう。
それで直接お金が稼げる、商売ができる、というものではないし、
知らなくても良いものだし、
生きていく上でどうしても必要だというものでもないのです。
ただ、学ぶことは楽しい、それを知ることができる、
というだけなのです。
でも、それこそが、豊かであることだと僕は思います。
学問の楽しさをより多くの人が知れ |
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日本の吹奏楽’98(9)大学編価格: 2,940円 レビュー評価:5.0 レビュー数:1 全体を通して満足の一枚ですが、山形大の『イーストコーストの風景』に一番痺れました。(特に曲中のサイレンが)結果は銀賞だったようですが吹奏楽史に残る名演だと思います。同曲はこの次の年にも高校の部で演奏され(『日本の吹奏楽99(5)』に収録されています)士気シビックウインドオーケストラもCDを出していますが、個人的にはこの山形大の演奏が1番だと思います。神奈川大の自由曲が著作権の関係で収録されていないのが残念ですが、充分価値ある1枚だと思います。
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